御朱印と御城印の違い|出すのは寺社か城か・起源・帳面の分け方

御朱印と御城印の違いは、出すのが寺社か城かです。御朱印は神社やお寺が出す参拝の証とされ、起源は奈良・平安時代に経典を納めたときの受取の書付だといわれています。御城印は城を管理する側が登城の記念として出す紙で、1990年代初めに松本城で始まったとされる新しい習慣です。国宝の天守がある城でも、城の窓口で受けるのは御城印で、寺社で受けられるのは御朱印です。

観点御朱印御城印
読み方ごしゅいんごじょういん
出すところ神社・お寺城の管理事務所や自治体
意味参拝の証とされる登城の記念(松本城は「お城に登った記念」と説明)
起源奈良・平安時代の「納経受取の書付」とされる(神社本庁)松本城の登閣記念朱印符とされる(一説に1991年)
呼び名「御朱印」の呼称は昭和10年頃から(神社本庁)城ごとに違う(松本城は登閣記念朱印符、彦根城は入城記念符)
書かれる内容寺社の名前と参拝の日付に朱印を押すのが一般的とされる城名、ゆかりある城主の家紋・花押などの印(彦根市の説明)
形式帳面に直接書いてもらう形と、紙で受ける形があるとされる松本城・佐和山城は印刷した紙。松本城は記帳せず日付を入れる
帳面御朱印帳に直接書いてもらう形がある1枚の紙なので貼るか挟むかして別に保管する。御朱印帳とは分けるのが一般的とされる
受ける場所寺社の授与所などの窓口が一般的城の管理事務所・券売所、城外の観光案内所のこともある
国宝・世界遺産での例世界遺産に含まれる寺社でも、受けられるのは御朱印国宝の天守がある松本城・彦根城で受けられる
見分け方出すのが寺社なら御朱印出すのが城なら御城印

御朱印と御城印は誰が出すか

御朱印を出すのは神社とお寺。御城印を出すのは城を管理している側で、松本城なら松本城管理事務所、彦根の佐和山城なら彦根市が売っています。

意味の違いも、ここから出てきます。寺社が出す御朱印は、その寺社にお参りした証とされるもの。城が出す御城印は、その城を訪ねた記念です。松本城は、公式サイトに載せている2020年10月作成の案内で、自分の御城印を「お城に登った記念として販売しているもの」と説明しています。

見分けるときは、この1点を見れば十分です。

紙の見た目で比べようとすると、かえって迷います。彦根市は、御城印の見た目は寺社の御朱印を参考にしていると説明しています。紙や印だけを見比べても区別がつきにくいので、出しているのが寺社か城かで見分けるのが確実です。

もう一つ、国宝か世界遺産かは関係しません。彦根市が御城印を出している佐和山城は、彦根市の案内では山頂に本丸跡が残る城跡です。御城印は城のある場所で出るもので、建物が国宝に指定されているかどうかとは別の話になります。

御朱印と御城印の起源の違い

神社本庁の説明では、御朱印の起源は、奈良・平安の昔に書き写した経典を寺社に奉納したときに受け取った「納経受取の書付」ではないかといわれているそうです。「御朱印」という呼び方が見られるようになったのは昭和10年頃からだと、同じページにあります。起源が奈良・平安にさかのぼるとすれば千年を超える話で、「御朱印」という呼び名のほうが新しいことになります。

御城印のほうは、ずっと新しい。日本交通公社のコラムは、一説には1991年に松本城で作ったものが始まりとされる、と紹介しています。年まで確定した話ではないようですが、御朱印の長い歴史と比べれば、始まってまだ日の浅い習慣です。御朱印の形が城のほかにも広がっている例として、同じコラムは宿場町の「御宿場印」も挙げています。

こうして並べると、御城印は御朱印の形を借りた記念の品だと分かります。松本城も彦根市も、説明しているのは「登った記念」「御朱印を参考にした見た目」まで。寺社の御朱印と同じ意味を持つものとして出しているわけではないので、寺社での受け方をそのまま城に持ち込む必要はないと考えています。

御城印の始まりとされる松本城がなぜ黒い城なのかも、記事にしています。

御朱印と御城印に書かれる内容の違い

彦根市の説明では、御城印に入るのは城の名前と、その城にゆかりのある城主の家紋や花押などの印です。花押は、署名の代わりに使われた図案化した印のこと。家紋と花押は、その城の城主が誰だったかを知る手がかりになります。

書き方は、印刷したものが目立ちます。松本城の2020年の案内では、帳面への記帳はせず、印刷した朱印符に日付を入れて渡すとしていて、デザインは2種類でした。彦根市が売る佐和山城の御城印も、A6サイズの和紙に印刷したものです。

名前も城ごとにまちまちです。松本城は「登閣記念朱印符」に括弧で御城印と添え、彦根城は公式サイトで「御城印(入城記念符)」と案内しています。「御城印」は、こうした記念の紙をまとめて呼ぶ名前として使われているようです。

御朱印は、寺社の名前と参拝した日付を墨で書き、朱印を押すのが一般的とされています。帳面に直接書いてもらう形と、あらかじめ書いた紙を受ける形があるとされ、書かれる中心は寺社そのものです。御城印には、城名と城主の家紋・花押が並びます。書かれている中身を見れば、城の紙か寺社の御朱印かの見分けがつきます。

御朱印と御城印はどこで受けるか

御朱印は、寺社の授与所などの窓口で受けるのが一般的です。

御城印は、城によって売り場がばらばらで、登城が条件になるかどうかも城ごとに違います。松本城の2020年の案内では、有料区域の中にある松本城管理事務所で売っていました。観覧券を買って中に入らないと受けられなかったわけです。お城に登った記念なので郵送では一切売らない、とも書いてあります。

彦根城は、公式サイトで表門の券売所での販売を案内しています(2026年9月時点)。城の外で売る例もあって、佐和山城の御城印は彦根駅西口の彦根市観光案内所と、彦根城の表門券売所で扱っています(2026年4月時点)。

段取りとしては、有料区域の中で売る城なら、天守を見終えて外へ出る前に受けておくのが確実です。出たあとで入り直すと手間が大きくなります。売り場が城内か城外かは、城ごとの公式の案内で先に確かめておいてください。

御城印と100名城スタンプの違い

松本城の2020年の案内では、御城印は管理事務所で販売、日本100名城スタンプは管理事務所の入り口と、置き場所が分かれていました。スタンプは自分で押して記録を残すもので、御城印は城が出す記念の紙です。同じ城の中でも置き場所が違うので、別物として見てください。

御朱印帳と御城印帳は分けるか

分けるのが一般的とされています。御朱印は神仏との縁の証とされるので、登城の記念とは1冊に混ぜないほうがよい、という考え方があります。

松本城や佐和山城の御城印は、どちらも1枚の紙です。帳面に直接書いてもらうものではないので、貼るか挟むかして別に保管する形になります。

御朱印帳に御城印を貼ってよいかは、寺社によって考え方が違うともいわれます。判断がつかないなら、寺社で直接書いてもらう帳面には城の紙を挟まないでおくのが無難です。帳面を分けておけば、寺社の窓口でも城の窓口でも迷いません。

国宝・世界遺産の城と寺社ではどちらがもらえるか

国宝の天守を見れる城でも、城の窓口で受けるのは御城印です。天守が国宝の松本城と彦根城は、どちらも御城印を出しています。天守が国宝に指定されている5つの城が現存天守12城とどう違うかも、まとめています。

世界遺産に含まれる寺や神社で受けられるのは、御朱印です。国宝の建物があるかどうかは関係なく、出すのが寺社だからです。世界遺産の金閣寺については、なぜ国宝ではないのかを書いた記事があります。

見落としやすいのは、同じ場所に2種類ある場合です。城の敷地の中や城下に神社がある城なら、城の窓口で出るのは御城印、神社で受けられるのは御朱印になります。窓口が別なので、1日で両方を受けるなら、城の見学のあとに神社へ寄る時間を見ておきましょう。

姫路城は、文化庁の文化遺産オンラインで大天守が国宝とされ、UNESCOの世界遺産にも登録されています。それでも、記念の紙が御朱印か御城印かは、その場所が寺社か城かで決まります。姫路城については、白鷺城と呼ばれる理由もまとめました。

参考