尾形光琳の燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)の本物は、東京・南青山の根津美術館が持っています。公開は例年、4月中旬から5月中旬に開かれる春の特別展で、期間は約1か月です。2026年の会期は4月11日〜5月10日で、すでに終わりました。次は2027年4月17日〜5月16日の特別展「国宝『燕子花図屏風』と琳派の草花図」で公開される予定です(2026年11月時点)。
| 作品名 | 所蔵館 | 展示室 | 公開時期 | 作者 | 時代 | 大きさ | 読み方 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 燕子花図屏風(国宝。指定名称は紙本金地著色燕子花図) | 根津美術館(東京都港区南青山) | 展示室1・2(2027年の予告) | 例年、春の特別展で約1か月。2027年は4月17日〜5月16日の予定(2026年11月時点) | 尾形光琳 | 江戸時代・18世紀 | 六曲一双、各縦151.2cm・横358.8cm | かきつばたず |
燕子花図屏風の本物はどこにある|根津美術館の所蔵
燕子花図屏風を持っているのは、東京都港区南青山の根津美術館です。文化庁の文化遺産オンラインでも、所有者は公益財団法人根津美術館と載っています。持ち主も展示する館も同じなので、「どこにある」の答えは根津美術館の1館で済みます。
本物を見る機会として決まっているのは、この館が例年春に開く特別展です。館に行けばいつでも見れるとは限らないので、所在より先に会期を押さえておきましょう。
燕子花図屏風が見れる時期|例年春の特別展
ここ数年の会期をまとめました。会期は根津美術館の展覧会ページと、各年の展覧会を伝えた記事によります。
| 年 | 展覧会 | 会期 | 一緒に並んだ主な作品 |
|---|---|---|---|
| 2024年 | 国宝・燕子花図屏風(デザインの日本美術) | 4月13日(土)〜5月12日(日) | 展覧会名のとおり、意匠(デザイン)に目を向けた構成 |
| 2025年 | 財団創立85周年記念特別展(光琳・応挙・其一をめぐる3章) | 4月12日(土)〜5月11日(日) | 円山応挙の藤花図屏風、鈴木其一の夏秋渓流図屏風(いずれも重要文化財) |
| 2026年 | 開館85周年記念特別展「光琳派」 | 4月11日(土)〜5月10日(日) | 渡辺始興の燕子花図屏風(クリーブランド美術館蔵)、乾山・深江芦舟らの作品 |
| 2027年(予定) | 特別展「国宝『燕子花図屏風』と琳派の草花図」 | 4月17日(土)〜5月16日(日) | 俵屋宗達以来の草花図と琳派の影響を受けた作品 |
どの年も、4月中旬の土曜日に始まり、5月中旬の日曜日に閉じる日程です。期間はおよそ30日で、5月の連休をまたぎます。
インターネットミュージアムの2024年の記事も、この展示を春の恒例と紹介していました。時期は同じでも、展覧会の名前と横に並ぶ作品は毎年入れ替わります。
2025年は、燕子花図屏風に円山応挙の藤花図屏風と鈴木其一の夏秋渓流図屏風を合わせた3件を、章ごとに見せる構成だったと美術手帖が伝えています。応挙と其一の2点は重要文化財。国宝の燕子花図屏風と指定の格が違う屏風を、同じ展覧会で見比べられた年でした。国宝と重要文化財の違いは別の記事で比べています。
2026年の特別展は「光琳派」が主題でした。館の展覧会ページによると、光琳の弟子の渡辺始興や深江芦舟、弟の乾山、乾山に学んだと伝わる立林何帠の作品を集めています。目玉の一つが、クリーブランド美術館が持つ渡辺始興の燕子花図屏風。光琳の絵をもとにしながら、始興の写生の好みが出た作品と館は説明しています。同じ画題の屏風を2つ並べて見れたのは、この年の展示ならではでした。
春の特別展が開かれなかった年もあります。2020年は4月18日からの燕子花図屏風の特別展が中止になったと、美術手帖が報じました。
燕子花図屏風そのものは毎年同じでも、隣に何が来るかで見比べる相手が変わります。応挙や其一と並べた2025年は画家の違う屏風どうし、始興と並べた2026年は同じ画題どうしの比較でした。次の2027年は、館の予告どおり草花図の流れの中で光琳を見る展示です。行くかどうかは、展覧会の名前を見て決めるのが一番だと考えます。
2027年の公開は4月17日から|琳派の草花図と並ぶ特別展
根津美術館の年間スケジュールには、2027年度の最初の展覧会として特別展「国宝『燕子花図屏風』と琳派の草花図」が載っています。会期は2027年4月17日(土)〜5月16日(日)、会場は展示室1・2の予定です(2026年11月時点)。
館は内容を、俵屋宗達から続く草花図の伝統のうえに光琳の燕子花図屏風が生まれた、と説明しています。琳派の影響を受けた作品もあわせて並べるそうです。2026年11月時点では予告の段階で、展覧会の個別ページはまだ出ていません。
2026年と2027年は、続けて見ると違いがはっきりします。2026年は光琳のあとに続いた弟子や弟の仕事に絞った展示でした。2027年は、宗達から光琳へ続く草花図の流れの中で燕子花図屏風を見れる予告です。
同じ館では、2027年10月30日〜11月28日に特別展「雪舟 若き日の軌跡」も予告されています(2026年11月時点)。雪舟の代表作がどこで見れるかは、山水長巻の記事にまとめました。
燕子花図屏風の大きさ・時代・読み方
読み方は「かきつばたず」です。根津美術館の所蔵品のページは作品名を「燕子花図」とし、この読みを添えています。
名前は3つあります。館の作品名は燕子花図、展覧会の名前では燕子花図屏風、文化庁の指定名称は紙本金地著色燕子花図です。指定名称の「紙本金地著色」は、紙に描いた金地(金色の地)の着色画のこと。館は「着色」、文化庁は「著色」と書いていて、字は違っても同じ作品です。検索するなら、どれで調べても同じ屏風にたどり着きます。
大きさは、館の所蔵品のページで各縦151.2cm、横358.8cmです。六つ折りの屏風が左右で一組になった六曲一双なので、計算上は2つを並べると横幅が7mを超えます。
時代は江戸時代の18世紀で、館の記載はここまでです。文化遺産オンラインには国宝の指定日が1951年6月9日とあります。
描かれているものと見方
描かれているのは、金地に群青と緑青で描いた燕子花の群れです。館の説明では、題材は『伊勢物語』の東下りの和歌の場面で、一部に型紙が繰り返し使われていて、一見すると意匠の面が際立つ作品だと書かれています。同じページによると、光琳は京都の呉服商の家に生まれ、俵屋宗達に私淑した(直接習わず手本にした)画家です。宗達の代表作である風神雷神図屏風がどこにあるかは別の記事にまとめました。
これだけ横に長い屏風なので、見るときは2段階に分けるのがよいと考えます。まず展示室の後ろまで下がって、左右一双の花の群れがどう並んでいるかを見る。それから近づいて、同じ形の花がくり返し出てくる様子と、群青の濃淡の差を見ます。
見に行く前に確かめること
入館の方法は年によって違います。美術手帖によると、2025年の特別展は全日がオンラインの日時指定予約制でした。2026年の特別展では、オンラインの日時指定予約を案内しつつ当日券も用意していたと館のページにあります。2027年の条件は、展覧会の個別ページが出てから確かめてください。
休館日は月曜日が基本です。ただし連休の前後は年ごとに違います。美術手帖によると2025年は月曜に加えて5月7日が休みで、館のページによると2026年は月曜の5月4日に開館していました。行く日を決める前に、その年の展覧会ページで休館日を見ておくと無駄足を防げます。
日を選ぶなら、開館時間が延びる日を手がかりにできます。館の展覧会ページによると、2026年の特別展では5月5日〜10日の最終盤に19時までの夜間開館がありました。2027年に夜間開館があるかどうかは、個別ページで確かめてください。
料金と開館時間も年ごとに変わります。会期と予約の方法が出たら、根津美術館の公式サイトで確かめるのが確実です。
